産後に上の子の相手が凄く疲れる上に可愛いと思えないのはなぜ?

真面目なママほど注意が必要

待望の下の子が生まれて、これから上の子も下の子も可愛がって
育児を楽しむつもりだったのに
いざ生まれてみると「上の子がかわいいと思えない!」と悩むお母さんが増えています。

生まれるまではそこまで感じたことがなかった
上の子の小さな行動や発言にイライラして怒鳴ってしまったり
上の子の相手をするのが疲れてしまったりします。

そういった現象の事を
「上の子かわいくない症候群」
と呼んだりもします。

こういった現象になりやすい年齢差があります。
「2歳以上の年齢差がある」ということです。

特に年齢差が2・3歳の場合は
その傾向が色濃く出ます。

それはなぜでしょう?
2・3歳と言えば丁度自我が芽生えるころですよね。

・こうしてくれないとイヤ
・これじゃないとイヤ
・気に入らないことがあると地団駄を踏む
・怒ると叩いてきたり蹴ったりする
・所かまわず思い通りにならなければ大号泣する

そんな反抗期真っ只中の子供と
お人形のように愛くるしく、口答えもない小さな天使のような存在の両方が存在すれば
母性がくすぐられるのが後者になるのは本能的に仕方のない事なんです。

しょうがないからと言って上の子を蔑ろにしてもいいという事ではありませんし
イライラを上の子にぶつけてもいいと言う理由にはなりません。

そもそも上の子と下の子を比較して
下の子の方が可愛いと思ってるわけではありません。

お母さん自身が気づいていないだけで
「下の子の方が精神的に余裕がある」というだけなんです。

上の子の時には何もかもが初めてで、いっぱいいっぱいだっただけなんですよ。
それに比べて下の子は1度経験してる分だけ、お母さんの気持ちに余裕がありますよね。

ただそれだけのことなんです。
下の子が同じように2・3歳になって反抗期に入っても
1度経験してるので「ハイハイ」と受け流すことが出来るそういうもんなんです。

しかも下の子が反抗期に入れば
話せばだいたい理解してくれる上の子が可愛いと思えるようになったり
良くお手伝いしてくれる上の子を頼もしいと思えたりしてきます。

子供が全員小学校に上がってしまえば
親よりも友達の方に比重が向くので上の子にも下の子にも
乳児期のような差を感じることは少なくなります。

上の子の赤ちゃん返りの一例

下の子が生まれると上の子が赤ちゃん返りするという話をよく聞きますね。
では具体的にどんな行動が出てくるのでしょうか?
(以下にあげる例はほんの一例です。全ての子供に当てはまるものではありません。)

・おっぱいやミルクを欲しがる
・悪いとわかっていることをわざとやる
・出来ることを出来ないと泣く
・赤ちゃん言葉になる
・突然の夜泣きやおねしょをする
・指しゃぶりをしたり、おしゃぶりを欲しがる
・過剰に甘えてくる
・すぐに抱っこをせがんできたりベビーカーに乗りたがる
・赤ちゃんいらないと言ったり、赤ちゃんに乱暴な事をする
・癇癪を起しやすくなる
・お母さんの隣に寝ると言って譲らない
・何もないのに突然泣き出す
・幼稚園や学校に行きたがらない
・ママ嫌い、パパがいいと過剰に父親に依存しようとする

など様々な行動が出てきます。

上の子の気持ちをまず受け止めよう

上の子の気持ちをまず理解してあげましょう。
根本にあるのは「赤ちゃんに嫉妬するほどの母への強い愛情」です。

お母さんが好きだから強く嫉妬するんですね。
困らせるのも自分を見てほしいからです。

赤ちゃん言葉になるのも赤ちゃんのような行動をとるのも
赤ちゃんと同じになれば、自分もまた可愛がってもらえると考えるからです。

指しゃぶりやおねしょ/夜泣きなどは
心が満たされていない状態を自己解決しようと
脳がストレス発散の為にさせているんです。

幼稚園や学校に行きたがらなくなるのは
お母さんが居ない場所が不安でたまらなくなったり
赤ちゃんがお母さんを独占するのを阻止したいからです。

パパに過剰に依存するのは
そういう態度をとることでママの気持ちを試しているんです。

純粋な愛情ゆえの行動だということを
まずはわかってあげてくださいね。

対処法としては何ができる?

では親として上の子に何がしてあげられるでしょうか?

まずは問題の行動を頭ごなしに怒らない/叱らないことです。
もちろんわがままを全部許せと言ってるわけではありません。

例えばおねしょをした時
「だから寝る前にトイレ行くように言ったのにいう事聞かないからおねしょするんでしょ!!」
と怒りたくなりますがそこはぐっと我慢して

「おもらししちゃったのかー冷たかったねぇー
風邪ひいちゃうとママすごく心配しちゃうから今日はちゃんと寝る前にトイレ行こうね」
とママが心配するからと一言付け加えます。

あかちゃんの真似をしておっぱいやミルクを欲しがる時は
いっそのことあげてしまいましょう。

子供は不思議なもので何度かその要求を満たしてあげると
満足して言わなくなることが多いのです。

お母さんを困らせる行動だとわかっててわざとやってる場合は
「そんな子はママ嫌い!」
「ママのいう事聞けない子なんてもう知りません!」とつい口走ってしまいます。

でもそこはまたお母さんが大人になって
「○○したかったんだよね、わかるよ。」
「○○ちゃん/君も頑張ってるの知ってるよ。」と一言声をかけてから短く注意しましょう。

上の子と二人きりの時間を特に大事にしましょう。
祖父母やお父さんに頼れればそれが一番ですが
そうじゃない家庭も多いですよね。

そんな時は、赤ちゃんが泣いていても
安全な場所に置いておいて
上の子を抱っこしてあげるだけでも大丈夫です。

もしまだ一緒にお風呂に入ってるのなら
裸同士でハグしましょう。
「あなたが大好きだよ」と言いながらハグすると効果的です。

肌が触れることで子供はすごく安心します。
また親自身もまだこんなにも小さいんだと再確認できお互いに癒されますよ。
身体を洗い合いっこするのも良いと思いますよ。

お兄ちゃんなんだから/お姉ちゃんなんだからと責めるのは厳禁です。
子供は好きで上に生まれてきたわけではありません。
ただし、褒める場合はどんどん使って良いでしょう。

そして最後に一番大事な事。
それは「100点満点の母親を目指す必要はない」ということです。

生まれたばかりの子供の世話に上の子の赤ちゃん返り
お母さんは泣きたくなるくらい辛くなる時もあるでしょう。

一生懸命であることは悪い事ではありません。
でも、100点満点を目指して無理をする必要はないんですよ。

親が少しくらい抜けてる方が子供は安心します。
完璧な人間の側にいると自分がどんどん惨めに思えてくる大人の感情と同じなんです。
「お母さんも人間だもん出来ない事もあるんだよ~」と子供に話してしまって大丈夫です。

子供はそんなお母さんを見て
人間は失敗もするし出来ない事もある
自分だけがダメなんじゃないんだと初めて安心することができるのです。