産後に「目を使わないように」と言われるのはなぜ?
「産後1か月は文字を読んではダメ」
「産後1か月はTVも見ない方がいい」
「産後1か月はスマホもやめた方がいい」
そんな話を母親や祖母から聞いたり
ネットで見聞きしたことはありませんか?
昔から言われてる事で迷信でしょと思ってる人もいるかもしれませんが
あながちただの迷信とも言い切れない根拠がちゃんとあるんですよ。
・目を使うことで交感神経が活性化するため。
・筋肉の緊張により骨盤が固まってしまうため。
・目の疲れは肝臓の疲れに繋がるため。
・目から入る情報により心が乱される可能性があるため。
・ブルーライトの悪影響のため。
交感神経が活性化すると何がいけないの?
という話になると思います。
交感神経が優位の状態とは
すなわち戦闘モードで興奮状態にあると言えます。
出産するという事がすでに戦闘モード状態で
産後赤ちゃんの面倒を見なくちゃいけないという状態でも
お母さんは常に戦闘モードです。
そこに更に目を使うことで交感神経が活性化されたらどうでしょう?
お母さんの神経は休憩することができなくなります。
その結果、マタニティーブルーや産後うつの発症確立が上がり
身体の回復を遅め、更年期や高齢期の身体にも影響を及ぼします。
交感神経が活性化されると
身体の筋肉は緊張状態を保とうとします。
そうなると、骨盤帯も緊張状態を保とうとするため
骨盤が歪んだり、開いたまま固まってしまうんですね。
中医学では目の疲れは肝の疲れに繋がると言われています。
肝と言えば肝臓を即座に思い出すでしょう。
肝臓の機能と言えば「体内にある様々な毒素を解毒する機能」ですよね。
肝臓の機能が衰えれば産後の身体の回復に大きな支障をきたしてしまいます。
目を使うという事は、様々な情報を取り入れるという事です。
その情報は自分にとって「常にプラスになるもの」とは限りませんよね?
赤ちゃんに関する悲しいニュースであったり、世の中で起きている事件や事故のニュース
ネットでの心無い書き込み、ラインなどでの既読無視問題等
産後のデリケートな精神状態では心がかき乱される原因となりえます。
ブルーライトが目に良くないというのは
良く知られていますよね。
ブルーライトは目の中にある網膜にまで達する強い光です。
体内時計を狂わせてしまうとも言われていて
妊娠の有無に関わらず気を付けたいところですが
産後は特に赤ちゃんに合わせた生活になるために
体内時計が狂いやすく
ブルーライトによって受ける影響が大きいと考えられます。
上記のような様々な理由から
「産後1か月は目を休めなさい」と言われているんですね。
産後の視力低下や眼精疲労の原因
目を使わない方がいいという理由はわかったけど
あまり使ってないはずなのに目が異常に疲れたり
視力低下の傾向が見られる人も居ます。
その原因はなんでしょうか?
・産後しばらくは身体中が浮腫みやすいため。
・身体が貧血状態にあるため。
・出産のいきみで毛細血管が切れたり眼球を圧迫してしまったため。
・自律神経が乱れているため。
・疲労が蓄積されているため。
妊娠中、お母さんの身体は体内に水分を溜め込みます。
出産後それは徐々に排出されていくのですが
産後すぐはまだまだ浮腫みが出やすい時期です。
目の粘膜にも浮腫みがあるので
浮腫みがある状態では普通にモノを見ているだけでも
負担をかけてしまいます。
出産で多くの血液が失われ、産後は貧血状態になりやすいです。
そうすると目の周辺にある毛細血管まで血液がきちんと送られなくなり
目の疲労感が増してしまうんですね。
母乳で育てている場合は、母乳は血液から出来ているので
授乳中/授乳後に目まいや頭痛、目の疲労感などを感じることもあります。
出産時のいきみによって毛細血管が切れたり眼球を圧迫してしまったために
視力低下を引き起こしてしまうこともあります。
全身に力を込めて押し出すイメージの出産では
力を入れ時に自然と顔全体にも力が入りますよね。
その時に目の毛細血管が切れてしまったり
眼球を圧迫してしまう事があります。
毛細血管が切れてしまった場合は充血が見られたりしますが
時間がかかっても自然と治る場合も多いです。
ところが眼球の圧迫で眼圧が上がってしまい
視神経に影響が出てしまうと治ることはありません。
交感神経が常に優位状態で副交感神経へのスイッチ交換が上手く行かなくなると
自律神経が乱れた状態と呼ぶことができます。
リラックスできない状態が続くために目に疲労が蓄積して
見えにくくなるという状態になってしまいます。
出産/育児での身体的/肉体的疲労の蓄積によっても
目の疲労感や頭痛/目まい等の症状が出やすくなっています。
目の疲労回復方法
では眼精疲労を回復させる方法はあるのでしょうか?
・休養をとるのが一番。
・遠くの景色をみる。
・蒸しタオルやホットアイマスクを利用する。
・ツボを押す。
何よりも大事なことは休むことです。
目だけでなく産後の身体は疲れていますから
動かなくていい時は横になって目を閉じる。
これが一番効果的で
簡単な回復方法です。
授乳中や授乳後に眼精疲労を感じたら
遠くを見ましょう。
できれば窓から見える遠くの山や空などを見ることをおすすめしますが
それが不可能な場合は顔を上げて目線を遠くにするだけでも良いでしょう。
授乳中はどうしても赤ちゃんの方に目線が行き
近くを見る作業が多くなります。
肩や首などに大きな負担がかかる授乳姿勢になってしまうことも増えるので
意識して背筋を伸ばし、肩や首の力を抜いて、目線をたまに遠くに置くことで
授乳中や授乳後の眼精疲労が軽減されます。
目を温めることも疲労回復には効果的ですね。
入院中レンジが使えるならタオルを濡らして500Wで1分ほど温めて
自分で蒸しタオルを作ってもいいでしょう。
病院によっては蒸しタオルが常備されていて
頼めば持ってきてくれる病院もありますよ。
蒸しタオルが作れなくても薬局などで
ホットアイマスクが売ってますのでそれを利用する方法もあります。
袋から出すだけですぐに暖かくなるので
余計な手間もいりませんし
香り付きのものもあってリラックス効果も期待できおすすめです。
ツボ押しもツボさえ覚えてしまえば
難しい事は何もありません。
目頭の脇にある「晴明(せいめい)」は無意識のうちに押してる人もおおいツボです。
目に疲れを感じた時、鼻の上部をつまむ感じで目頭を押さえた経験はありませんか?
それが晴明と呼ばれるツボです。
眼精疲労に一番効くツボだと言われていますので
疲労を感じた時には一番最初に押してみましょう。
眼精疲労から頭痛や目まいが発生した場合には
こめかみにある「太陽(たいよう)」というツボがおすすめです。
こめかみ付近に指を置いて歯をカチカチ動かしてみてください。
その時に動いてる場所があると思います。
それが太陽というツボになりますよ。
目がかすんだり視界がぼやける場合には
「攅竹(さんちく)」という眉頭にあるツボが良いでしょう。
眉頭を触ってみて少しへこんでるなと思う場所が攅竹です。
視力低下を防ぐ対策法
視力低下を防ぐ方法もほぼ眼精疲労回復方法と変わらないのですが
もし、メガネやコンタクトを使用している人の場合は
見えにくいと感じだたらなるべく早めに正しい度数のものにすることをおすすめします。
合わない度数のメガネやコンタクトを使用していると
毛様体筋が緊張し、眼精疲労や視力低下を助長させてしまう原因となります。
視力回復トレーニングとして
近くと遠くを交互にみるトレーニングや
目を上下左右に動かすトレーニングなどがあります。
目の運動をすることで視力低下を防ぎ
視力の安定を図ることができます。
産後は目に限らずいろんな部分に疲労が蓄積されますので
しっかりと休養を取り、心穏やかに赤ちゃんに向き合うことが
何よりも重要ですね。