産後の疲れやすい症状の原因は、もしかしたら貧血が原因かも?

貧血と判断される数値

女性は毎月の月経などにより貧血気味の人が多いと言われていますね。

正常値と言われるヘモグロビン濃度は非妊娠時の女性で12~15g/dl程度と言われ
貧血だと判断されるヘモグロビン濃度は非妊娠時の女性で12g/dl未満
妊婦さんや産後のお母さんの場合は11g/dl未満で貧血だと判断されます。

産後のお母さんは母乳を出すことで貧血が酷くなる場合も多く
また出産時の出血により貧血を一時的に患うこともあります。

輸血をする基準値は、7g/dlを目安としていることが多いようです。
もちろんヘモグロビン濃度だけで輸血の有無が決まるわけではなく
それぞれの状況や、症状を見ての判断となります。

なぜ産後は貧血になりやすいのか

・妊娠中からの貧血が改善されてない
・出産時の出血
・授乳
・育児へのストレス・不安
・寝不足

妊娠すると体重が増え、赤ちゃんの血液を確保するために
お母さんの血液量は増えます。

この時にヘモグロビンの量も増えれば問題ないのですが
ヘモグロビンの量が増えずに血液量だけ増えてしまうと
ヘモグロビンが薄くなった状態になり鉄欠乏性貧血を起こしやすくなるんですよ。

鉄欠乏性貧血と判断されれば錠剤等が処方されますが完治しないままだったり
そこまで行かないものの薄くなった状態が改善されないまま
出産してしまうと産後の貧血へと繋がってしまうんですね。

出産時にはもちろん出血が伴います。
平均的な数値で言えば300~500ml程度の出血だと言われていますが
多い人だと1000ml以上も出血してしまうこともあるようです。

この時失われた血液はすぐには元に戻りません。
そうなると体内の血液が少なくなり貧血を発症しやすくなるんですね。

母乳はご存知の通り、お母さんの血液を主成分にしています。
「白い血液」と呼ばれるくらいですからね。

血液が主成分ですから血液量が必然的に減ってしまいます。
また、鉄分は優先的に母乳へ移行されるので
お母さんの身体は鉄分が不足しがちな状況になるんですよ。

育児ストレスや、育児の不安は交感神経を刺激し
自律神経のバランスを壊してしまいます。

交感神経が刺激され続けると、アドレナリンが強く出るようになり
身体全体の血管を収縮させてしまいます。

結果、血液の流れが悪くなり酸素が体内に行き渡らなくなり
貧血を発症してしまいます。

赤ちゃんのお世話が始まると、昼夜問わずの授乳から
お母さんは必然的に寝不足になります。

寝不足状態が続くと慢性的な疲労からめまいや頭痛を起こし
貧血を発症することがあるんですよ。

貧血になってしまうと出る症状

貧血を発症してしまうと

・10分程度歩いただけで疲れる
・すぐに息切れしてしまう
・めまい
・頭痛
・口内炎ができやすくなる
・倦怠感
・顔色が悪くなる
・抜け毛が増える
・母体の回復が遅れる
・母乳が出にくくなる
・立ちくらみを起こしやすくなる

などの症状が現れてしまいます。

母乳育児中のお母さんは特に貧血を発症すると
母乳の出が悪くなりますから注意が必要ですね。

立ちくらみや目まいの症状は
赤ちゃんを抱っこする機会の多い場合
赤ちゃんを危険にさらすことになりますので注意が必要です。

顔色が蒼白になっていたり、唇がプールの後の紫色のようになっている場合は
かなり数値が下がってしまっている可能性が十分考えられます。

育児に必死になっていると、鏡をじっくり見る機会が減ってしまいますので
なかなか顔色や唇の色の変化に気づかない人も多いでしょう。

なので、できれば毎日鏡を覗いて
自分の顔色や唇の変化にも注意をはらうと良いと思います。

貧血は母体の回復そのものにも影響します。
「育児は体力勝負」とよく言われていますので
貧血の症状がある場合は早めの対策が肝心です。

もし貧血かな?と思った時は

・医師の診断を仰ぐ
・バランスを考えた食事を摂取する
・無理をしない
・ストレス発散を心がける
・サポートが受けられるときは積極的にお願いする
・漢方やサプリメントを摂取する

自分で出来る対処方法として一番お手軽なのは
無理をしないことと、サプリメントや漢方を摂取することでしょう。

本来なら食生活を改善して貧血を予防/改善するのが一番ですが
産後のお母さんにとって「バランスのいい食事を毎食取る」というのは
実際難しい面が多いですよね。

もちろんサプリメントや漢方を飲んでいるからと言って
食生活を蔑ろにしていいわけではありませんが
きちんと食べられない事が多い場合は一番お手軽な改善方法です。

ストレスが産後はとても溜まりやすく
発散するのもなかなか難しいお母さんは
お気に入りの香りがするハンドクリームがおすすめです。

ハンドクリームは肌につけるものなので
成分そのものが優しいものが多く
そのまま赤ちゃんに触れても安心できます。

サポートが受けられる場合には積極的にお願いしましょう。
少しでも身体と心を休ませることを優先して
常に張っている緊張状態を緩和させましょう。

貧血の症状に改善が見られない場合や
悪化が見られる場合にはすぐに病院に行って
医師の診察を受けましょう。

授乳中であっても飲める薬はありますし
市販のものより効果が出るのが早いです。